部下へのフィードバックに悩んでいませんか?
1on1で部下にフィードバックするとき、意外と難しいのが「言い方」です。
褒めたい場面でも、ただ「よかったよ」と伝えるだけでは、部下は何を続ければよいのかわかりにくくなります。
一方で、改善点を伝える場面では、言葉を選ばないと「責められた」「否定された」と受け取られてしまうこともあります。
そこで役立つのが、SBIモデルです。
SBIモデルとは、フィードバックを「状況」「行動」「影響」の3つに分けて伝える方法です。
たとえば、
「昨日の会議で、あなたが先に論点を整理してくれたことで、議論がスムーズに進みました」
というように、どの場面で、どの行動があり、どんな影響があったのかを具体的に伝えます。
この型を使うと、褒めるときも改善を促すときも、感覚的な言い方になりにくくなります。
部下にとっても「自分のどの行動が評価されたのか」「次に何を変えればよいのか」が理解しやすくなります。
この記事では、新任管理職の方でも1on1ですぐ使えるように、SBIモデルを使った褒め方・改善フィードバックの例文を50個紹介します。
言い回しに自信がない方でも、そのまま使いやすい形に整理しているので、次回の1on1前の準備にも活用できます。
この記事でわかること
1on1でフィードバックの言葉に迷うのは自然なこと
1on1で部下にフィードバックするとき、「どう言えば伝わるのか」と迷うのは自然なことです。特に新任管理職の場合、部下との関係性を壊したくない気持ちもあります。そのため、褒めるときは無難な言葉になり、改善点を伝えるときは遠回しになりすぎることがあります。
しかし、フィードバックの目的は、相手を評価することだけではありません。部下が自分の行動を振り返り、次の行動をより良くするきっかけをつくることも重要です。そのためには、感覚的な言葉ではなく、「どの行動について話しているのか」が伝わる言い方が必要になります。
新任管理職ほど「どう伝えるか」で悩みやすい
新任管理職が1on1で悩みやすいのは、フィードバックの中身そのものよりも、言い回しです。
たとえば、次のような場面は多いのではないでしょうか。
- 部下を褒めたいが、「よかった」「助かった」だけで終わってしまう
- 改善点を伝えたいが、きつく聞こえそうで言葉を選びすぎてしまう
- 何度も同じことを伝えているのに、行動が変わらない
- 伝えたあとに、部下の表情が曇ってしまう
- どこまで踏み込んで指摘してよいかわからない
このような悩みは、管理職としての能力が低いから起きるものではありません。
むしろ、部下との関係性を大切にしようとしているからこそ起きる悩みです。
ただし、言葉を選びすぎると、フィードバックの内容がぼやけます。
たとえば、部下の資料作成に改善点があるときに、
「もう少し丁寧にやってみよう」
と伝えたとします。
一見、やわらかい言い方です。
しかし、部下からすると「どこをどう直せばいいのか」がわかりにくい可能性があります。
丁寧にするとは、誤字を減らすことなのか。
根拠となる数字を入れることなのか。
結論を先に書くことなのか。
読み手に合わせて表現を変えることなのか。
この部分が曖昧なままだと、部下は改善したくても具体的に動けません。
感覚的なフィードバックは、部下に伝わりにくい
1on1でよくある失敗は、フィードバックが感覚的になってしまうことです。
たとえば、褒める場面では次のような言い方をしがちです。
- 「いい感じだったよ」
- 「頑張っているね」
- 「最近よくなってきたね」
- 「助かったよ」
もちろん、これらの言葉が悪いわけではありません。
部下に安心感を与える言葉としては有効です。
ただし、これだけでは「何がよかったのか」が伝わりません。
部下が知りたいのは、単なる好意的な反応ではなく、再現できるヒントです。
どの行動が評価されたのかがわかれば、次も同じ行動を取りやすくなります。
一方で、改善点を伝える場面でも、感覚的な言い方は問題になりやすいです。
たとえば、次のような言い方です。
- 「もっと主体的に動いてほしい」
- 「報連相をしっかりしてほしい」
- 「もう少し考えてから動いてほしい」
- 「仕事の精度を上げてほしい」
これらも、管理職側の意図としては間違っていません。
しかし、部下にとっては抽象的です。
「主体的に」とは、先に提案することなのか。
自分で調べてから相談することなのか。
期限前に進捗を共有することなのか。
「仕事の精度」とは、数字の正確さなのか。
論点の整理なのか。
関係者への確認なのか。
このように、抽象的な言葉だけでは、部下が次に取るべき行動まで落とし込めません。
フィードバックで重要なのは、「評価したい行動」や「改善してほしい行動」を、できるだけ具体的に伝えることです。
そこで役立つのがSBIモデル
このような悩みを解決しやすくするのが、SBIモデルです。
SBIモデルを使うと、フィードバックを次の3つに分けて整理できます。
- Situation:どの状況で
- Behavior:どの行動があり
- Impact:どのような影響があったのか
この3つに沿って伝えることで、フィードバックが具体的になります。
たとえば、単に
「会議での発言がよかったよ」
と伝えるよりも、
「昨日の定例会議で、議論が止まりかけたときに、あなたが論点を3つに整理してくれました。そのおかげで、参加者が次に話すべきことを理解しやすくなり、会議が前に進みました」
と伝えたほうが、部下は何が評価されたのかを理解しやすくなります。
改善フィードバックでも同じです。
「報連相をもっと早くして」
と伝えるよりも、
「先週のA社向け資料の修正で、納期当日の夕方まで進捗共有がありませんでした。そのため、こちらで確認する時間が短くなり、最終チェックが慌ただしくなりました。次回は、遅くとも前日の時点で一度進捗を共有してもらえると助かります」
と伝えるほうが、相手は改善点を具体的に理解できます。
SBIモデルの良いところは、相手の人格ではなく、行動に焦点を当てられることです。
「あなたは雑だ」
「あなたは主体性がない」
「あなたは報連相が苦手だ」
このような言い方は、相手の人格を評価しているように聞こえます。
すると、部下は防御的になりやすくなります。
一方で、SBIモデルを使えば、
「この場面で、この行動があり、その結果こういう影響が出た」
と伝えられます。
そのため、部下も「自分が否定された」のではなく、「この行動を見直せばいい」と受け止めやすくなります。
1on1では、信頼関係を守りながら、必要なことを具体的に伝える必要があります。
SBIモデルは、そのための実用的な型として使いやすい方法です。
SBIモデルとは?1on1で使いやすいフィードバックの型
SBIモデルとは、フィードバックを「状況」「行動」「影響」の3つに分けて伝える方法です。
感覚や印象だけで伝えるのではなく、具体的な場面と行動をもとに話すため、相手に伝わりやすくなります。
1on1では、部下の良い行動を伸ばす場面にも、改善点を伝える場面にも使えます。
特に新任管理職にとって使いやすい理由は、言い回しを一から考えなくても、型に当てはめるだけでフィードバックを整理できるからです。

SBIモデルは「状況・行動・影響」で伝える方法
SBIモデルの3つの要素は、次のとおりです。
- Situation:状況
- Behavior:行動
- Impact:影響
それぞれを簡単に言い換えると、以下のようになります。
Situation:どの場面で
まず、「いつ」「どこで」「どのような場面で」の話なのかを明確にします。
たとえば、次のような情報です。
- 昨日の定例会議で
- 先週のA社向け提案資料の作成時に
- 今朝のチームミーティングで
- 先月のプロジェクト振り返りの場で
- クライアントから急な依頼が来たときに
状況を示さずにフィードバックすると、部下は「どの件の話だろう」と迷いやすくなります。
たとえば、
「最近、報告が遅いよね」
と言われると、相手はどの場面を指しているのか判断しにくくなります。
一方で、
「先週のA社向け資料の修正で、進捗共有が納期当日の夕方になっていました」
と伝えれば、話している対象が明確になります。
フィードバックの最初に状況を示すだけで、相手は受け止めやすくなります。
Behavior:どの行動があったか
次に、相手の具体的な行動を伝えます。
ここで大切なのは、性格や能力ではなく、実際に観察できた行動に絞ることです。
たとえば、次のような表現です。
- 論点を3つに整理してくれた
- 期限の前日に進捗を共有してくれた
- 会議の前に関係者へ確認を取っていた
- 資料の結論を最初に書いていた
- 質問されたときに、すぐに確認して折り返していた
反対に、次のような表現は注意が必要です。
- 意識が低い
- 主体性がない
- 雑に仕事をしている
- 責任感が足りない
- やる気が見えない
これらは、管理職側の解釈や印象が強く入っています。
言われた側は「そういうつもりではない」と感じやすく、反発や防御につながることがあります。
SBIモデルでは、できるだけ「見たこと」「聞いたこと」「確認できる行動」をもとに伝えます。
たとえば、
「主体性がない」
ではなく、
「会議で次の担当が決まっていない状態でしたが、自分から引き取る発言がありませんでした」
のように伝えます。
このように行動で伝えると、相手は改善ポイントを具体的に理解しやすくなります。
Impact:どのような影響があったか
最後に、その行動によってどのような影響があったのかを伝えます。
ここでいう影響とは、良い影響だけではありません。
改善が必要な場面では、チーム・顧客・業務・周囲の人にどのような影響が出たのかを説明します。
褒める場面であれば、たとえば次のように伝えます。
- 議論がスムーズに進みました
- チーム全体が判断しやすくなりました
- クライアントの不安が減りました
- 後輩が安心して作業を進められました
- 次回も同じ進め方を再現しやすくなりました
改善を促す場面であれば、次のような伝え方です。
- 確認時間が短くなり、最終チェックが慌ただしくなりました
- 関係者が次に何をすればよいか判断しにくくなりました
- 手戻りが発生し、チーム全体の作業時間が増えました
- クライアントへの回答が遅れました
- 会議の時間内に結論まで進めませんでした
影響を伝えることで、フィードバックは単なる感想ではなくなります。
「なぜその行動が良かったのか」
「なぜその行動を変える必要があるのか」
この理由が伝わるため、部下の納得感が高まりやすくなります。

SBIモデルの基本形
SBIモデルは、次の形で使うと整理しやすくなります。
褒めるときの基本形
「〇〇の場面で、あなたが△△してくれたことで、□□という良い影響がありました」
たとえば、以下のような言い方です。
「昨日の会議で、あなたが先に論点を整理してくれたことで、参加者が話すべき内容を理解しやすくなりました」
この言い方では、状況・行動・影響が明確です。
- 状況:昨日の会議で
- 行動:先に論点を整理してくれた
- 影響:参加者が話すべき内容を理解しやすくなった
単に「会議で助かったよ」と言うよりも、何が良かったのかが伝わります。
部下にとっても、「次回も論点整理を意識しよう」と行動につなげやすくなります。
改善フィードバックの基本形
改善点を伝えるときは、次の形が使いやすいです。
「〇〇の場面で、△△という行動がありました。その結果、□□という影響が出ています。次回は◇◇を意識してみましょう」
たとえば、以下のような言い方です。
「先週の資料作成で、結論が後半に書かれていました。その結果、読み手が最初に何を判断すればよいか分かりにくくなっていました。次回は、冒頭に結論と依頼事項をまとめる形にしてみましょう」
この言い方では、改善点を伝えながらも、相手の人格を否定していません。
「資料がわかりにくい」だけでは、相手は何を直せばよいかわかりません。
しかし、「結論が後半に書かれていた」「冒頭に結論と依頼事項をまとめる」と伝えれば、次の行動が明確になります。
改善フィードバックでは、最後に「次にどうすればよいか」を添えることが重要です。
SBIモデルの基本は、状況・行動・影響です。
ただし、1on1で改善を促す場合は、そこに「次の行動」を加えると、より実践的になります。
SBIモデルが1on1に向いている理由
SBIモデルは、特に1on1との相性が良い方法です。
なぜなら、1on1は単なる業務報告の場ではなく、部下の成長や行動変化を支援する場だからです。
1on1では、上司が一方的に評価を伝えるだけでは不十分です。
部下が自分の行動を振り返り、「次はこうしてみよう」と思えることが重要です。
SBIモデルが1on1に向いている理由は、大きく3つあります。
理由1:部下が自分の行動を振り返りやすい
SBIモデルでは、具体的な場面と行動をもとに話します。
そのため、部下は「自分のどの行動について話しているのか」を理解しやすくなります。
たとえば、
「最近よくなってきたね」
と言われても、部下は何を続ければよいのかわかりません。
一方で、
「先週のチームミーティングで、あなたが事前に課題を3つ整理して共有してくれたことで、当日の議論が具体的になりました」
と言われれば、部下は評価された行動を再現しやすくなります。
褒める目的は、気分を良くすることだけではありません。
良い行動を本人が自覚し、次も再現できるようにすることです。
理由2:改善点を責めずに伝えやすい
改善フィードバックでは、言い方を間違えると、相手が防御的になりやすくなります。
たとえば、
「もっと責任感を持って」
と言われると、相手は人格を否定されたように感じるかもしれません。
しかし、
「昨日の進捗確認で、完了予定が遅れる可能性があることを共有していませんでした。その結果、こちらで調整できる時間が短くなりました」
と伝えれば、話題は人格ではなく行動になります。
これは、1on1の信頼関係を守るうえで重要です。
部下に改善してほしい行動があるときほど、強い言葉ではなく、具体的な事実を使って伝える必要があります。
理由3:次の行動につなげやすい
SBIモデルは、過去の出来事を振り返るだけでなく、次の行動につなげるためにも使えます。
たとえば、
「次回は、資料を提出する前に、結論・根拠・依頼事項の3点が入っているか確認してみましょう」
と伝えれば、部下は具体的に動けます。
1on1で大切なのは、指摘して終わることではありません。
次に何を変えるかを一緒に決めることです。
SBIモデルを使えば、過去の行動を整理しながら、未来の行動にも自然につなげられます。
SBIモデルは「言い方」ではなく「考え方」の型
SBIモデルは、きれいな言葉で伝えるためだけのテクニックではありません。
本質は、フィードバックを事実に近づけることです。
管理職がフィードバックで迷うのは、言葉選びだけが原因ではありません。
多くの場合、「何を伝えるべきか」が整理できていないことが原因です。
その状態で1on1に入ると、どうしても言葉が曖昧になります。
「もう少し頑張ってほしい」
「もう少し丁寧にしてほしい」
「もう少し主体的に動いてほしい」
このような表現になりやすいのは、頭の中で状況・行動・影響が整理されていないからです。
SBIモデルを使うと、フィードバック前に次の3点を確認できます。
- どの場面について話すのか
- どの行動を取り上げるのか
- その行動によって、どんな影響があったのか
この3つが整理できるだけで、1on1での伝え方はかなり明確になります。
SBIモデルで褒めるときの基本ルール
SBIモデルは、改善フィードバックだけでなく、褒める場面でも非常に使いやすい型です。
1on1で部下を褒めるときに大切なのは、単に気分を良くしてもらうことではありません。
部下が「自分のどの行動が良かったのか」を理解し、次も同じ行動を再現できるようにすることです。
そのためには、「よかった」「助かった」「頑張ったね」だけで終わらせず、具体的な行動と影響まで伝える必要があります。
褒めるときは「すごい」よりも「何がよかったか」を伝える
部下を褒めるとき、つい使いやすいのが次のような言葉です。
- 「すごいね」
- 「よかったよ」
- 「助かったよ」
- 「頑張っているね」
- 「いい感じだったよ」
もちろん、これらの言葉が悪いわけではありません。
短く前向きな言葉は、部下に安心感を与える効果があります。
ただし、1on1で成長につながるフィードバックにしたいなら、もう一歩具体化することが大切です。
たとえば、部下が会議で良い発言をしたとします。
このとき、
「今日の会議、よかったよ」
だけでは、部下は何が良かったのかを判断しにくくなります。
一方で、
「今日の会議で、あなたが最初に論点を整理してくれたことで、参加者が議論しやすくなりました」
と伝えれば、評価された行動が明確になります。
この場合、部下が受け取れる情報は次の3つです。
- どの場面が評価されたのか
- どの行動が良かったのか
- その行動が周囲にどんな良い影響を与えたのか
ここまで伝わると、部下は次回以降も「会議では最初に論点を整理すると役立つのだ」と理解できます。
褒める目的は、相手を持ち上げることではありません。
良い行動を本人に自覚してもらい、再現できるようにすることです。
成果だけでなくプロセスも褒める
1on1で褒めるときは、成果だけでなくプロセスにも目を向けることが大切です。
成果はわかりやすい評価対象です。
売上が上がった、契約が取れた、納期に間に合った、資料が採用された。
こうした結果は褒めやすく、部下にも伝えやすいでしょう。
しかし、成果だけを褒め続けると、部下は「結果を出したときだけ評価される」と感じやすくなります。
特に若手や経験の浅いメンバーは、毎回わかりやすい成果を出せるとは限りません。
そのため、結果に至るまでの工夫や行動を見て伝えることが重要です。
たとえば、次のようなプロセスも褒める対象になります。
- 事前準備を丁寧に行った
- 関係者に早めに確認した
- 前回の指摘を次の資料に反映した
- 自分から課題を見つけて相談した
- チームメンバーをサポートした
- 失敗後に改善策を考えて動いた
こうした行動は、すぐに大きな成果につながらないこともあります。
しかし、長期的に見ると、仕事の質や信頼関係を高める重要な行動です。
たとえば、次のように伝えると、プロセスを具体的に褒められます。
「今回の提案資料では、作成前に営業担当へ確認を取っていましたね。そのおかげで、顧客の課題に合った内容になっていて、提案の説得力が高まっていました」
このフィードバックでは、単に「資料がよかった」と言っているわけではありません。
事前確認という行動を取り上げ、その行動が資料の説得力につながったことを伝えています。
これにより、部下は「資料作成前に関係者へ確認することが大事なのだ」と理解できます。
成果を褒めるだけでなく、成果につながった行動を褒める。
これが、SBIモデルで褒めるときの重要なポイントです。
褒めるSBI例文の基本テンプレート
褒めるときのSBIモデルは、次のテンプレートで考えると使いやすくなります。
「〇〇の場面で、あなたが△△してくれたことで、□□という良い影響がありました」
この形に当てはめるだけで、褒め言葉が具体的になります。
たとえば、以下のような使い方です。
「昨日のチームミーティングで、あなたが先に進捗の遅れを共有してくれたことで、早めに役割分担を見直すことができました」
この例では、次のように整理できます。
- 状況:昨日のチームミーティングで
- 行動:進捗の遅れを先に共有した
- 影響:早めに役割分担を見直せた
このように伝えると、部下は「遅れを隠さず早めに共有することが、チームに良い影響を与える」と理解できます。
もう一つ例を見てみましょう。
「先週のクライアント対応で、相手の質問にすぐ答えず、一度確認してから正確に回答していましたね。そのおかげで、誤った情報を伝えずに済み、クライアントにも安心感を持ってもらえました」
この場合は、単に「対応がよかった」とは言っていません。
確認してから回答した行動と、それによる安心感という影響を伝えています。
部下にとっては、自分の判断や行動の価値を理解しやすくなります。
褒めるときに意識したい3つのポイント
SBIモデルで褒めるときは、次の3つを意識すると自然に伝えやすくなります。
1. できるだけ早めに伝える
良い行動を見つけたら、できるだけ早めに伝えることが大切です。
時間が経ちすぎると、部下もその場面を思い出しにくくなります。
1on1でまとめて伝える場合でも、できれば具体的な日付や場面を添えましょう。
たとえば、
「先週の月曜の定例会議で」
「A社向けの提案資料を作っていたときに」
というように伝えると、相手も思い出しやすくなります。
2. 本人が気づいていない貢献を言語化する
部下は、自分の良い行動に気づいていないことがあります。
たとえば、会議前に資料を整えておく、後輩に一言フォローする、確認事項を事前にまとめておく。
本人にとっては当たり前でも、チームにとっては大きな助けになっている場合があります。
そうした行動を上司が言語化すると、部下は自分の強みに気づきやすくなります。
「あなたのこの行動が、周囲にこういう良い影響を与えている」
このように伝えることが、部下の自己理解にもつながります。
3. 褒め言葉を評価で終わらせない
「すごい」「優秀」「さすが」といった言葉だけで終わると、相手はうれしく感じても、次の行動にはつながりにくくなります。
褒めるときは、できるだけ行動に落とし込みましょう。
たとえば、
「説明がうまかった」
ではなく、
「最初に結論を伝えてから理由を説明していたので、聞き手が理解しやすくなっていました」
と伝えます。
これなら、部下は「結論から話すことが評価された」と理解できます。
褒め言葉は、具体的にするほど育成効果が高まります。
褒めるフィードバックは、部下の行動を強化する
1on1での褒め言葉は、単なる雰囲気づくりではありません。
部下の良い行動を強化するための重要なフィードバックです。
特に、まだ自信がない部下や、成長途中の部下にとっては、上司からの具体的なフィードバックが行動の指針になります。
「この行動は良かった」
「この進め方は続けてよい」
「この工夫はチームに貢献している」
このように伝えられると、部下は安心して良い行動を続けやすくなります。
SBIモデルを使えば、褒め言葉を感覚ではなく、成長につながるフィードバックに変えられます。
そのまま使える褒め方のSBIモデル例文25選
ここからは、1on1でそのまま使いやすい「褒め方」のSBIモデル例文を紹介します。
褒めるときは、単に「よかった」「助かった」と伝えるだけでなく、次の3点を入れると伝わりやすくなります。
- どの場面で
- どの行動がよくて
- どんな良い影響があったのか
部下の行動を具体的に言語化することで、本人が「何を続ければよいのか」を理解しやすくなります。
以下の例文は、そのまま使うだけでなく、自分の職場や部下の状況に合わせて言い換えて使ってください。
成果を出した部下への褒め方例文
成果が出た場面では、結果だけでなく「成果につながった行動」まで伝えることが大切です。
「売上が上がったね」「契約が取れてよかったね」だけで終わらせず、どの行動が成果につながったのかを伝えましょう。
1. 営業成果を出した部下を褒める
「今回のA社への提案で、事前に相手の課題を細かく整理してから商談に臨んでいましたね。その結果、提案内容が相手の状況に合っていて、受注につながったのだと思います。」
2. 目標達成を褒める
「今月の目標に対して、週ごとに進捗を確認しながら行動量を調整していましたね。その積み重ねが、月末の目標達成につながったと感じています。」
3. 納期を守ったことを褒める
「今回の資料作成では、締切の前日に初稿を出してくれましたね。そのおかげで、確認と修正の時間をしっかり取ることができ、余裕を持って提出できました。」
4. 難しい案件をやり切ったことを褒める
「今回の案件は関係者が多く、調整が難しい状況でした。その中で、あなたが一つひとつ確認しながら進めてくれたことで、大きな混乱なく完了まで進められました。」
5. クライアント対応を褒める
「先日のクライアント対応で、相手の質問にすぐ断定せず、一度確認してから正確に回答していましたね。その対応によって、相手にも安心感を持ってもらえたと思います。」
6. 問題解決を褒める
「トラブルが起きたときに、あなたが原因と対応策を分けて整理してくれました。そのおかげで、チーム全体が次に何をすればよいか判断しやすくなりました。」
プロセスや工夫を褒める例文
仕事では、最終的な成果だけでなく、そこに至るまでの工夫も重要です。
特に新任管理職の場合、結果だけを褒めるのではなく、良いプロセスを見つけて言語化することが、部下の成長支援につながります。
7. 事前準備を褒める
「今日の会議では、事前に必要な情報を整理して持ってきてくれていましたね。そのおかげで、議論が止まらず、短い時間で判断まで進められました。」
8. 確認を怠らなかったことを褒める
「今回の資料作成で、数字の根拠を事前に関係部署へ確認していましたね。そのひと手間があったことで、資料全体の信頼性が高まっていました。」
9. 前回の指摘を反映したことを褒める
「前回、結論を先に書くと伝えましたが、今回の資料では冒頭に要点が整理されていましたね。そのおかげで、読み手が内容をすぐ理解しやすくなっていました。」
10. 自分なりに改善したことを褒める
「今回の報告では、前回よりも要点を絞って説明してくれていましたね。そのため、聞き手が重要なポイントをつかみやすくなっていました。」
11. 早めに相談したことを褒める
「進め方に迷った段階で、早めに相談してくれましたね。そのおかげで、手戻りが大きくなる前に方向性を調整できました。」
12. 優先順位を考えて動いたことを褒める
「複数の依頼が重なっていた中で、重要度と締切を整理して進めていましたね。そのおかげで、急ぎの案件を遅らせずに対応できました。」
13. ミスを防ぐ工夫を褒める
「提出前にチェックリストを使って確認していましたね。そのおかげで、抜け漏れが減り、安心して次の工程に進められました。」
チーム貢献を褒める例文
部下の貢献は、個人の成果だけではありません。
周囲を助ける、情報を共有する、チーム全体が動きやすい状態をつくることも、重要な評価対象です。
14. 情報共有を褒める
「昨日のチームミーティングで、あなたが案件の進捗と懸念点を共有してくれましたね。そのおかげで、他のメンバーも状況を把握しやすくなりました。」
15. 後輩へのサポートを褒める
「新しいメンバーが作業で迷っていたときに、あなたが手順を整理して説明してくれていましたね。そのおかげで、相手も安心して作業を進められていました。」
16. 会議でのフォローを褒める
「今日の会議で、話が少し脱線したときに、あなたが論点を戻してくれましたね。そのおかげで、時間内に結論まで進めることができました。」
17. 周囲への気配りを褒める
「チーム内で作業が偏っていたときに、あなたが他のメンバーの状況を確認してくれていましたね。そのおかげで、負荷の偏りに早めに気づくことができました。」
18. ナレッジ共有を褒める
「今回の対応で得た学びを、チーム向けに簡単にまとめて共有してくれましたね。そのおかげで、他のメンバーも同じ失敗を避けやすくなりました。」
19. チームの雰囲気づくりを褒める
「忙しい状況の中でも、あなたが周囲に声をかけながら進めてくれていましたね。そのおかげで、チーム全体が相談しやすい雰囲気になっていました。」
主体性・成長を褒める例文
部下の成長を促したいときは、「自分から動いたこと」「前回より改善したこと」「挑戦したこと」を具体的に伝えると効果的です。
小さな変化でも、上司が言語化することで、部下は自信を持ちやすくなります。
20. 自分から提案したことを褒める
「今日の打ち合わせで、あなたから改善案を出してくれましたね。その提案があったことで、今まで見えていなかった選択肢をチームで検討できました。」
21. 指示待ちではなく動いたことを褒める
「今回の案件で、依頼を待つのではなく、自分から必要な情報を取りに行っていましたね。そのおかげで、作業開始までの時間を短縮できました。」
22. 苦手なことに挑戦したことを褒める
「これまで少し苦手意識があると言っていた発表に、今回自分から取り組んでくれましたね。その姿勢が、次の成長につながる大きな一歩だと感じました。」
23. 前回より改善したことを褒める
「前回の1on1で、報告時に結論から話すことを確認しましたが、今回は最初に要点を伝えてくれていましたね。そのおかげで、状況をすぐ把握できました。」
24. 自分で振り返ったことを褒める
「今回の対応後に、自分で良かった点と改善点を整理していましたね。その振り返りがあることで、次の行動に活かしやすくなっていると思います。」
25. 成長の変化を褒める
「ここ数回のミーティングで、以前よりも自分の意見を具体的に伝えてくれる場面が増えましたね。そのおかげで、チームとしてもあなたの考えを踏まえて判断しやすくなっています。」
褒める例文を使うときのポイント
上記の例文は、そのまま使うこともできます。
ただし、より効果を高めるには、実際の出来事に合わせて少しだけ言い換えることが大切です。
特に意識したいのは、次の3点です。
- 「先日」「最近」ではなく、できるだけ具体的な場面を入れる
- 「頑張った」ではなく、実際の行動を入れる
- 「助かった」だけでなく、周囲への良い影響を入れる
たとえば、
「最近よく頑張っているね」
よりも、
「今週のA社対応で、質問が来たあとすぐに確認して共有してくれましたね。そのおかげで、チーム全体が同じ認識で対応できました」
と伝えたほうが、部下は自分の良い行動を理解しやすくなります。
褒めるフィードバックは、部下の自信を高めるだけではありません。
良い行動を再現し、チームに必要な行動を増やすための働きかけでもあります。
SBIモデルで改善フィードバックを伝えるときの基本ルール
改善フィードバックは、1on1の中でも特に言い方が難しい場面です。
褒めるフィードバックであれば、多少言葉が曖昧でも、相手が大きく傷つく可能性はそれほど高くありません。
しかし、改善点を伝える場面では、少し言い方を間違えるだけで、部下が「責められた」「否定された」と感じることがあります。
だからこそ、改善フィードバックでは感情や印象だけで伝えず、具体的な行動をもとに話すことが重要です。
SBIモデルを使えば、改善点を「人格の問題」ではなく「行動の改善点」として伝えやすくなります。
ここでは、1on1で改善フィードバックを伝えるときの基本ルールを整理します。
改善点は人格ではなく行動に焦点を当てる
改善フィードバックで最も大切なのは、相手の人格ではなく、具体的な行動に焦点を当てることです。
たとえば、次のような言い方は注意が必要です。
- 「責任感が足りない」
- 「主体性がない」
- 「仕事が雑」
- 「危機感がない」
- 「コミュニケーション力が低い」
これらの言葉は、管理職側としては問題点を伝えているつもりでも、言われた側には人格評価のように聞こえやすいです。
「責任感が足りない」と言われた部下は、具体的に何を直せばよいのかわかりません。
それどころか、「自分は責任感がない人間だと思われている」と受け止め、防御的になる可能性があります。
改善フィードバックで伝えるべきなのは、性格や姿勢の評価ではなく、観察できた行動です。
たとえば、次のように言い換えます。
- 「責任感が足りない」
→「納期に遅れる可能性が出た時点で、事前共有がありませんでした」 - 「主体性がない」
→「会議で次の担当が未定のままでしたが、自分から引き取る発言がありませんでした」 - 「仕事が雑」
→「提出資料に、数字の不一致と誤字が複数残っていました」 - 「危機感がない」
→「期限前日の時点で、未着手のタスクがあることを共有していませんでした」 - 「コミュニケーション力が低い」
→「相手の質問に対して、確認せずに回答したため、後から認識のズレが発生しました」
このように行動で伝えると、部下は「自分の人格を否定された」と感じにくくなります。
また、何を変えればよいのかも明確になります。
改善フィードバックでは、強い言葉を使うほど伝わるわけではありません。
むしろ、事実に近い言葉を使うほど、相手は受け止めやすくなります。
責める言い方ではなく、次の行動につなげる
改善フィードバックの目的は、相手を反省させることだけではありません。
最終的な目的は、次の行動をより良くすることです。
そのため、改善点を伝えるときは、「何がよくなかったか」で終わらせず、「次にどうすればよいか」まで示すことが大切です。
たとえば、次のような伝え方は避けたほうがよいです。
- 「なんで報告しなかったの?」
- 「前にも言ったよね」
- 「もっとちゃんと確認して」
- 「普通は先に相談するよね」
- 「このままだと困るよ」
これらの言葉は、上司側の不満は伝わります。
しかし、部下にとっては責められている印象が強く、次の行動につながりにくいです。
改善フィードバックでは、次のような流れを意識すると伝えやすくなります。
- どの場面の話かを伝える
- 具体的にどの行動があったかを伝える
- その行動によって、どんな影響が出たかを伝える
- 次回どうしてほしいかを伝える
- 必要に応じて、本人の考えを聞く
たとえば、報告が遅れた場面では、次のように伝えます。
「昨日のA社対応で、進捗が遅れていることを共有してもらったのが納期当日の夕方でした。その結果、こちらで調整できる時間が短くなり、確認作業が慌ただしくなりました。次回からは、遅れる可能性が出た時点で一度共有してもらえると助かります。」
この言い方であれば、責める印象を抑えながら、必要な改善点を伝えられます。
さらに、1on1では最後に次のような問いを添えると、対話につなげやすくなります。
- 「次回は、どのタイミングなら共有しやすそうですか?」
- 「今回、共有が遅れた原因として思い当たることはありますか?」
- 「次に同じ状況になったら、どのように進めるとよさそうですか?」
改善フィードバックは、一方的に指摘して終わるよりも、相手が自分で改善策を考えられる形にしたほうが行動につながります。
改善フィードバックのSBI基本テンプレート
改善フィードバックでは、次のテンプレートが使いやすいです。
「〇〇の場面で、△△という行動がありました。その結果、□□という影響が出ています。次回は◇◇を意識してみましょう。」
この形にすると、指摘が感情的になりにくくなります。
たとえば、資料の品質に改善点がある場合は、次のように伝えます。
「今回の提案資料で、結論が後半に書かれていました。その結果、読み手が最初に何を判断すればよいか分かりにくくなっていました。次回は、冒頭に結論と依頼事項をまとめる形にしてみましょう。」
この例では、次のように整理できます。
- 状況:今回の提案資料で
- 行動:結論が後半に書かれていた
- 影響:読み手が最初に何を判断すればよいか分かりにくくなっていた
- 次の行動:冒頭に結論と依頼事項をまとめる
このように伝えると、「資料がわかりにくい」とだけ言うよりも、改善ポイントが明確になります。
もう一つ例を見てみましょう。
「今朝のチームミーティングで、他のメンバーが話している途中に発言が重なる場面が何度かありました。その結果、相手が最後まで説明しにくそうに見えました。次回は、相手が話し終えたあとに一呼吸置いてから発言してみましょう。」
この例では、「人の話を聞いていない」とは言っていません。
具体的な行動として「発言が重なった」と伝えています。
改善フィードバックでは、この違いが重要です。
「人の話を聞いていない」と言われると、相手は人格や姿勢を否定されたように感じるかもしれません。
一方で、「発言が重なる場面があった」と言われれば、改善すべき行動が見えやすくなります。
改善フィードバックで避けたい3つの伝え方
SBIモデルを使っていても、伝え方によっては相手が受け取りにくくなることがあります。
特に、次の3つには注意が必要です。
1. 決めつける言い方
「あなたはいつも確認が甘い」
「毎回、報告が遅い」
「全然考えていないよね」
このような言い方は、相手に強い反発を生みやすいです。
特に「いつも」「毎回」「全然」といった言葉は、事実以上に大きく聞こえます。
部下は改善点よりも、「本当にいつもなのか」「全然ではない」と反論したくなってしまいます。
改善フィードバックでは、できるだけ具体的な場面に絞りましょう。
「昨日のA社対応では」
「今回の資料では」
「今朝の会議では」
このように限定して伝えると、相手も受け止めやすくなります。
2. 遠回しすぎる言い方
部下を傷つけたくないあまり、遠回しになりすぎることもあります。
たとえば、
「もう少しうまくできるといいかもしれないね」
という言い方です。
やわらかい表現ではありますが、何をどう改善すればよいのかが見えにくくなります。
改善フィードバックでは、やわらかさと具体性の両方が必要です。
「今回の報告では、結論に入るまでに背景説明が長くなっていました。そのため、聞き手が重要なポイントをつかむまでに時間がかかっていました。次回は、最初に結論を一文で伝えてから、背景を補足してみましょう。」
このように伝えれば、きつくなりすぎず、改善点も明確になります。
3. 改善点だけを伝えて終わる
改善点だけを伝えると、部下は「怒られた」という印象を持ちやすくなります。
たとえば、
「報告が遅いから気をつけて」
だけで終わると、相手は何をどう直せばよいのかを十分に理解できません。
改善フィードバックでは、最後に次の行動を添えましょう。
「遅れる可能性が出た時点で、完了していなくても一度共有してください」
「次回は、提出前に数字と表記ゆれだけ確認する時間を取ってみましょう」
「会議では、発言前に相手の話が終わったか確認してから話してみましょう」
このように、次の行動まで具体化すると、部下は改善に取り組みやすくなります。
改善フィードバックは「厳しさ」よりも「明確さ」が大切
改善点を伝えるとき、管理職は「どこまで厳しく言うべきか」と悩みがちです。
しかし、1on1で本当に大切なのは、厳しい言葉を使うことではありません。
相手が次に何を変えればよいのかを明確にすることです。
厳しい言葉は、一時的に緊張感を生むかもしれません。
しかし、行動が具体化されていなければ、部下は同じ失敗を繰り返す可能性があります。
一方で、落ち着いた言い方でも、
- どの場面で
- どの行動があり
- どんな影響が出て
- 次に何を変えるのか
が伝われば、改善フィードバックとして十分に機能します。
改善フィードバックは、相手を追い込むためのものではありません。
部下が次の行動を選びやすくするための支援です。
SBIモデルを使えば、必要なことを具体的に、かつ相手が受け止めやすい形で伝えられます。
次のパートでは、1on1でそのまま使える「改善フィードバックのSBIモデル例文25選」を紹介します。
報連相、資料品質、会議での振る舞い、納期管理、主体性など、管理職がよく直面する場面別に整理していきます。
そのまま使える改善フィードバックのSBIモデル例文25選
ここからは、1on1でそのまま使いやすい「改善フィードバック」のSBIモデル例文を紹介します。
改善点を伝えるときは、相手の性格や姿勢を決めつけるのではなく、具体的な行動に焦点を当てることが大切です。
特に意識したいのは、次の4点です。
- どの場面で
- どの行動があり
- どんな影響が出て
- 次回どうしてほしいのか
改善フィードバックは、厳しく言うほど伝わるものではありません。
相手が「次に何を変えればよいか」を理解できる言い方にすることが重要です。
報連相・情報共有に関する改善例文
報連相の改善を伝えるときは、「ちゃんと報告して」ではなく、どのタイミングで何を共有してほしいのかを明確にします。
1. 進捗共有が遅い場合
「先週のA社向け資料作成で、進捗が遅れていることを共有してもらったのが納期当日の夕方でした。その結果、こちらで確認や調整をする時間が短くなりました。次回からは、遅れる可能性が出た時点で一度共有してもらえると助かります。」
2. トラブル報告が遅れた場合
「今回のシステム不具合の件で、問題が起きてからチームへの共有までに時間が空いていました。そのため、関係者への連絡や代替対応が後手に回ってしまいました。次回は、原因がわかっていない段階でも、まず発生事実だけ共有してもらえると対応しやすくなります。」
3. 相談せずに進めて手戻りが出た場合
「今回の資料修正で、方向性に迷っていた部分を相談せずに進めていましたね。その結果、完成後に大きな修正が必要になりました。次回は、迷った段階で一度確認してもらえると、手戻りを減らせます。」
4. 情報共有が一部の人に偏った場合
「昨日の案件共有で、営業担当には状況を伝えていましたが、制作側には共有されていませんでした。その結果、制作側が最新状況を知らないまま作業を進める形になりました。次回は、影響を受ける関係者を確認してから共有先を決めてみましょう。」
5. 報告内容が断片的だった場合
「今朝の進捗報告では、作業が進んでいることは伝わりましたが、完了予定日と残っている課題が含まれていませんでした。そのため、こちらで次の判断がしにくい状態でした。次回は、進捗・残課題・完了見込みの3点をセットで伝えてもらえると助かります。」
資料・アウトプット品質に関する改善例文
資料や成果物へのフィードバックでは、「雑」「わかりにくい」といった表現を避け、どの部分がどう影響しているのかを伝えると改善につながりやすくなります。
6. 資料の結論がわかりにくい場合
「今回の提案資料では、結論が後半に書かれていました。その結果、読み手が最初に何を判断すればよいか分かりにくくなっていました。次回は、冒頭に結論と依頼事項をまとめる形にしてみましょう。」
7. 数字の確認不足があった場合
「今回の売上報告資料で、表と本文の数字に一部ズレがありました。その結果、資料全体の信頼性を確認し直す必要が出ました。次回は、提出前に数字だけを見直す時間を最後に取ってみましょう。」
8. 誤字脱字が目立った場合
「今回の共有資料で、誤字や表記ゆれが複数残っていました。そのため、内容そのものは良くても、読み手に少し粗い印象を与える可能性がありました。次回は、提出前に音読するか、チェックリストを使って確認してみましょう。」
9. 読み手への説明が不足していた場合
「今回の資料では、前提条件の説明が少なかったため、初めて読む人には背景が伝わりにくい構成になっていました。次回は、資料の冒頭に目的・前提・判断してほしいことを入れると、読み手が理解しやすくなります。」
10. 要点が多すぎて伝わりにくい場合
「今日の報告資料では、伝えたい内容が多く入っていました。その結果、特に重要なポイントが少し埋もれてしまっていました。次回は、最初に最重要ポイントを3つに絞って整理してみましょう。」
会議・コミュニケーションに関する改善例文
会議や対人コミュニケーションの改善点は、伝え方を間違えると人格否定に聞こえやすい領域です。
「話が長い」「聞いていない」ではなく、観察できた行動として伝えるのがポイントです。
11. 会議で発言が少ない場合
「今日の定例会議で、担当領域に関する意見を求められた場面がありましたが、発言が少ない状態でした。そのため、あなたが現場で感じている課題がチームに共有されにくくなっていました。次回は、完璧な意見でなくてもよいので、気づいたことを一つ出してみましょう。」
12. 話が長くなりやすい場合
「今日の報告では、背景説明に時間がかかり、結論に入るまで少し長くなっていました。その結果、聞き手が重要なポイントをつかむまでに時間がかかっていました。次回は、最初に結論を一文で伝えてから、背景を補足してみましょう。」
13. 相手の話を遮ってしまう場合
「今朝の会議で、他のメンバーが話している途中に発言が重なる場面が何度かありました。その結果、相手が最後まで説明しにくそうに見えました。次回は、相手が話し終えたあとに一呼吸置いてから発言してみましょう。」
14. 質問への回答がずれていた場合
「先ほどの打ち合わせで、相手は納期について確認していましたが、回答では作業内容の説明が中心になっていました。そのため、相手の疑問が解消されにくい状態でした。次回は、まず質問に対する答えを短く返してから、補足説明を加えてみましょう。」
15. 感情的に反応してしまった場合
「昨日の打ち合わせで、指摘を受けた直後に少し強い口調で返す場面がありました。その結果、相手もそれ以上意見を出しにくい雰囲気になっていました。次回は、すぐに反論する前に、一度『確認します』と受け止める形にしてみましょう。」
仕事の進め方・納期管理に関する改善例文
仕事の進め方に関する改善では、「もっと計画的に」だけでは不十分です。
どの行動が問題になり、何を変えるとよいのかまで具体化しましょう。
16. 優先順位がずれていた場合
「昨日のタスク対応で、締切が近いB社案件よりも、来週締切の社内資料を先に進めていました。その結果、B社案件の確認時間が短くなりました。次回は、作業に入る前に締切と影響度を見て優先順位を確認してみましょう。」
17. 納期遅れが発生した場合
「今回の提出物で、予定していた締切を過ぎてから完成の連絡がありました。その結果、後工程の確認作業が遅れてしまいました。次回は、締切に間に合わない可能性が出た時点で、早めに相談してもらえると調整しやすくなります。」
18. タスクの見積もりが甘かった場合
「今回の作業計画では、確認や修正にかかる時間が見積もりに入っていませんでした。その結果、最後の修正時間が足りなくなりました。次回は、作業時間だけでなく、確認と修正の時間も含めてスケジュールを組んでみましょう。」
19. 完了条件が曖昧なまま進めた場合
「今回の依頼で、完成イメージを確認しないまま作業に入っていました。その結果、提出後に認識のズレが出て修正が増えました。次回は、着手前に目的・完成形・確認者の3点を確認してから進めましょう。」
20. 抜け漏れが多かった場合
「今回の準備では、必要な確認項目がいくつか抜けていました。その結果、会議中に追加確認が発生し、判断が次回に持ち越しになりました。次回は、事前にチェックリストを作って確認してみましょう。」
受け身姿勢・主体性に関する改善例文
主体性に関するフィードバックは、「もっと主体的に」と言うだけでは伝わりません。
どの場面で、どの行動を増やしてほしいのかを具体的に伝えることが大切です。
21. 指示待ちになっている場合
「今回の案件で、次に進めるための確認事項が出ていましたが、こちらから指示するまで動き出しがありませんでした。その結果、作業開始までに少し時間が空いてしまいました。次回は、迷った時点で『次はこれを進めてもよいですか』と確認してもらえると助かります。」
22. 提案が少ない場合
「今日の振り返りでは、課題は共有してくれましたが、次にどう改善するかの案は出ていませんでした。そのため、次の行動をこちらで決める形になっていました。次回は、完璧でなくてもよいので、自分なりの改善案を一つ持ってきてみましょう。」
23. 自分で調べる前に質問してしまう場合
「昨日の相談で、基本的な手順を確認する前に質問していました。その結果、こちらで説明する時間が少し増えていました。次回は、まずマニュアルや過去資料を確認し、それでも迷う点を整理してから相談してみましょう。」
24. 振り返りが浅い場合
「今回の1on1で、前回の改善点について『できませんでした』という報告だけになっていました。そのため、何が原因だったのかを一緒に考える材料が少ない状態でした。次回は、できた点・できなかった理由・次に試すことの3つを整理してみましょう。」
25. 改善行動が継続しない場合
「前回の1on1で、会議前に論点を整理することを決めましたが、今回の会議では事前共有がありませんでした。その結果、当日の議論が少し広がりすぎてしまいました。次回は、会議前日の時点で論点を3つだけメモして共有する形にしてみましょう。」
改善例文を使うときのポイント
改善フィードバックの例文は、便利な型として使えます。
ただし、そのまま読み上げるだけではなく、実際の場面に合わせて調整することが大切です。
特に、次の3点を意識すると伝わりやすくなります。
- 「最近」「いつも」ではなく、具体的な場面を入れる
- 「雑」「主体性がない」ではなく、観察できた行動を入れる
- 「気をつけて」で終わらせず、次に取ってほしい行動を入れる
たとえば、
「もっと早く報告して」
と伝えるよりも、
「昨日のA社対応で、遅れがわかった時点ではなく、納期当日の夕方に共有がありました。その結果、調整できる時間が短くなりました。次回は、遅れる可能性が出た時点で一度共有してください」
と伝えたほうが、改善点が明確になります。
改善フィードバックは、部下を責めるためのものではありません。
次に同じ状況になったとき、より良い行動を選びやすくするための支援です。
SBIモデルを使えば、言いにくいことでも、具体的かつ受け止めやすい形で伝えられます。
SBIモデルの言い換え表現|きつく聞こえない伝え方
1on1で改善点を伝えるとき、内容そのものよりも「言い方」で相手の受け止め方が大きく変わります。
同じ改善内容でも、詰問や決めつけに聞こえる言葉を使うと、部下は防御的になりやすくなります。
一方で、状況・行動・影響を整理して伝えれば、きつい印象を抑えながら、必要なことを具体的に伝えられます。
ここでは、1on1で言ってしまいがちな表現を、SBIモデルに沿って言い換える方法を紹介します。
「なぜできないの?」を言い換える
「なぜできないの?」という言葉は、上司側としては原因を確認したいだけかもしれません。
しかし、部下には「能力がないと言われている」「責められている」と聞こえることがあります。
特に、原因を整理できていない部下に対してこの言い方をすると、相手は萎縮しやすくなります。
避けたい言い方
- 「なぜできないの?」
- 「どうして毎回できないの?」
- 「何がそんなに難しいの?」
- 「前にも説明したよね?」
これらは、原因確認ではなく詰問に聞こえやすい表現です。
SBIモデルでの言い換え例
「今回の資料提出で、締切までに完成版が出ていませんでした。その結果、確認と修正の時間が短くなっています。どの部分で進めにくさがあったか、一緒に整理してみましょう。」
この言い方では、「できない理由」を責めていません。
実際に起きた状況と影響を伝えたうえで、原因を一緒に整理する形にしています。
部下に考えてほしいときは、次のような聞き方も使えます。
- 「どの段階で止まりやすかったですか?」
- 「進めるうえで迷った点はどこでしたか?」
- 「次回、同じ状況になったら何を変えられそうですか?」
原因を聞くときは、相手を追い詰めるよりも、行動を分解する聞き方にしたほうが効果的です。
「もっと頑張って」を言い換える
「もっと頑張って」は、一見前向きな言葉です。
しかし、フィードバックとしてはかなり抽象的です。
部下からすると、「何をどれくらい頑張ればよいのか」がわかりません。
すでに本人が頑張っている場合は、「これ以上どうすればいいのか」と感じることもあります。
避けたい言い方
- 「もっと頑張って」
- 「もう少し本気で取り組んで」
- 「もっと意識を高く持って」
- 「気合いを入れてやって」
これらの表現は、気持ちや姿勢に寄りすぎています。
そのため、具体的な行動改善につながりにくくなります。
SBIモデルでの言い換え例
「今月の案件対応では、依頼された作業は進められています。一方で、課題に気づいた段階での提案がまだ少ない状態です。そのため、改善策をこちらから提示する場面が多くなっています。次回は、課題を共有するときに、自分なりの対応案も1つ添えてみましょう。」
この言い方なら、「頑張りが足りない」とは言っていません。
具体的に増やしてほしい行動を伝えています。
「もっと頑張って」を使いたくなったときは、次のように考えると具体化しやすくなります。
- 何を増やしてほしいのか
- 何を減らしてほしいのか
- どのタイミングで行動してほしいのか
- どの状態になれば改善と言えるのか
たとえば、期待する行動は次のように言い換えられます。
- 報告の回数を増やす
- 提出前の確認を増やす
- 会議で意見を1つ出す
- 相談前に自分なりの案を持ってくる
- 期限の前日に進捗を共有する
精神論ではなく、行動に変換する。
これが、伝わるフィードバックの基本です。
「前にも言ったよね」を言い換える
同じ改善点を何度も伝えていると、つい「前にも言ったよね」と言いたくなることがあります。
管理職側としては、繰り返し伝えていることを認識してほしいのだと思います。
しかし、この表現は相手に強い圧を与えやすいです。
部下は「また怒られた」と感じ、改善策を考えるよりも、申し訳なさや防御に意識が向いてしまうことがあります。
避けたい言い方
- 「前にも言ったよね」
- 「何回も言っているよね」
- 「また同じことをしているよね」
- 「いつになったら直るの?」
これらは、事実確認というよりも、責める印象が強くなります。
SBIモデルでの言い換え例
「前回の1on1で、会議前に論点を整理して共有することを確認しました。今回の会議では、その事前共有がない状態で始まったため、議論の方向性をそろえるまでに時間がかかりました。次回は、前日の夕方までに論点を3つだけ共有する形にしてみましょう。」
この言い方では、過去の約束と今回の行動を具体的に照らし合わせています。
さらに、次回の行動も明確にしています。
同じ改善点を繰り返す部下には、叱るよりも「行動のハードル」を下げることが効果的な場合があります。
たとえば、
- 「毎回しっかり準備して」ではなく「前日に論点を3つ共有する」
- 「報告を早くして」ではなく「遅れそうだと思った時点で一報を入れる」
- 「確認を徹底して」ではなく「提出前に数字だけ5分確認する」
というように、次の行動を小さく具体化します。
改善が続かないときは、本人の意識だけでなく、行動の設計が曖昧な可能性もあります。
「普通はこうする」を言い換える
「普通はこうする」という言い方は、上司側の基準を伝える表現です。
しかし、部下には「常識がないと言われた」と受け取られることがあります。
また、「普通」という言葉は人によって解釈が違います。
自分にとっての当たり前が、相手にとっても当たり前とは限りません。
避けたい言い方
- 「普通は先に相談するよ」
- 「普通はここまで確認するよ」
- 「社会人ならわかるよね」
- 「常識的に考えればわかると思うけど」
これらの表現は、相手の理解力や常識を否定するように聞こえやすいです。
SBIモデルでの言い換え例
「今回の案件では、作業に入る前に完成イメージの確認がないまま進んでいました。その結果、提出後に認識のズレが出て、修正が増えました。次回からは、着手前に目的・完成形・確認者の3点を確認してから進めましょう。」
この言い方では、「普通」や「常識」という言葉を使っていません。
代わりに、期待する行動を具体的に伝えています。
上司としての基準を伝えたいときは、次のような表現が使いやすいです。
- 「このチームでは、〇〇の進め方を基本にしましょう」
- 「次回からは、〇〇を確認してから進めましょう」
- 「判断に迷う場合は、〇〇の段階で相談してください」
- 「この業務では、〇〇まで確認できている状態を完了とします」
基準は、責めるために伝えるものではありません。
部下が次に迷わず動けるようにするために共有するものです。
「ちゃんとして」を言い換える
「ちゃんとして」は、日常的に使いやすい言葉ですが、ビジネスのフィードバックでは非常に曖昧です。
上司側は「品質を上げてほしい」「期限を守ってほしい」「確認を増やしてほしい」など、何らかの意図を持っています。
しかし、部下には具体的な行動として伝わりにくい表現です。
避けたい言い方
- 「ちゃんとして」
- 「もっとしっかりして」
- 「きちんと確認して」
- 「抜け漏れがないようにして」
これらの言葉を使う場合は、何をどうすれば「ちゃんとしている状態」なのかを具体化する必要があります。
SBIモデルでの言い換え例
「今回の提出資料では、表記ゆれと数字の不一致がいくつか残っていました。そのため、内容を確認する前に、資料の正確性を見直す必要が出ました。次回は、提出前に数字・表記・添付ファイルの3点だけチェックする時間を取ってみましょう。」
この言い方なら、改善すべき行動が明確です。
「ちゃんとして」と言いたくなったときは、次のように置き換えます。
- 何を確認するのか
- いつ確認するのか
- どの基準を満たせばよいのか
- 誰に共有すればよいのか
- どの状態になれば完了なのか
曖昧な言葉を具体的な行動に変えるだけで、フィードバックの伝わり方は大きく変わります。
言い換えの基本は「責める言葉」から「行動を示す言葉」へ変えること
きつく聞こえるフィードバックの多くは、相手の人格や姿勢に向かっています。
たとえば、
- やる気がない
- 雑
- 主体性がない
- 責任感がない
- ちゃんとしていない
といった言葉です。
これらをそのまま伝えると、部下は「自分自身を否定された」と感じやすくなります。
一方で、SBIモデルを使えば、次のように言い換えられます。
- 「やる気がない」
→「会議で担当領域について意見を求められた場面で、発言がありませんでした」 - 「雑」
→「提出資料に、数字のズレと誤字が複数残っていました」 - 「主体性がない」
→「課題は共有してくれましたが、自分なりの改善案はまだ出ていませんでした」 - 「責任感がない」
→「納期に遅れる可能性が出た時点で、共有がありませんでした」 - 「ちゃんとしていない」
→「提出前に、添付ファイルと数字の確認が漏れていました」
このように言い換えると、フィードバックは人格評価ではなく、行動改善の話になります。
1on1では、相手に勝つ必要はありません。
必要なのは、相手が次により良い行動を選べるようにすることです。
そのためにも、きつい言葉を選ぶより、具体的な言葉を選びましょう。
1on1でSBIモデルを使うときの注意点
SBIモデルは、1on1でフィードバックを具体的に伝えるために役立つ型です。
ただし、型を使えば必ずうまくいくわけではありません。
同じSBIモデルでも、使い方を間違えると、部下に「形式的に言われている」「結局、責められている」と受け取られることがあります。
大切なのは、例文をそのまま読むことではなく、実際の状況や相手の受け止め方に合わせて調整することです。
例文をそのまま読むだけでは効果が弱い
この記事で紹介している例文は、1on1ですぐ使いやすいように整理しています。
しかし、実際の1on1では、例文をそのまま読み上げるだけでは効果が弱くなることがあります。
理由は、フィードバックには「具体性」と「本人に向けて伝えている感覚」が必要だからです。
たとえば、次のような例文があります。
「今回の資料作成で、結論が後半に書かれていました。その結果、読み手が最初に何を判断すればよいか分かりにくくなっていました。次回は、冒頭に結論と依頼事項をまとめる形にしてみましょう。」
このままでも意味は伝わります。
ただし、より効果を高めるなら、実際の資料名や場面を入れるとよいです。
たとえば、次のように言い換えます。
「昨日提出してくれたA社向けの提案資料で、料金プランの結論が後半に書かれていました。その結果、最初にどのプランを提案したいのかが少し分かりにくくなっていました。次回は、冒頭におすすめプランとその理由を先にまとめてみましょう。」
このように、具体的な案件名や行動を入れるだけで、部下は「自分のどの仕事について話しているのか」を理解しやすくなります。
例文は、あくまで土台です。
そのまま使うのではなく、次の3点を置き換えると自然になります。
- 実際の場面
- 実際に見えた行動
- 実際に起きた影響
この3つを入れることで、フィードバックが「一般論」ではなく「自分に向けられた具体的な助言」になります。
フィードバックは事実と解釈を分ける
SBIモデルを使うときに特に注意したいのが、事実と解釈を分けることです。
事実とは、実際に見たこと、聞いたこと、確認できることです。
解釈とは、それを見た上司側がどう感じたか、どう判断したかです。
たとえば、次のような表現を見てみましょう。
「今回の会議では、やる気がなさそうに見えました」
これは、上司側の解釈が入った表現です。
部下としては、「やる気がなかったわけではない」と感じるかもしれません。
SBIモデルでは、できるだけ観察できる行動に置き換えます。
「今回の会議では、担当領域について意見を求められた場面で、発言がありませんでした」
この言い方であれば、事実に近くなります。
そのうえで、影響を伝えます。
「そのため、あなたが現場で感じている課題がチームに共有されにくくなっていました」
ここまで伝えると、改善すべき行動が見えやすくなります。
事実と解釈が混ざると、部下は解釈の部分に反応しやすくなります。
「やる気がないわけではありません」
「そんなつもりではありません」
「自分ではちゃんと考えていました」
このように、フィードバックの本題ではなく、受け止め方のズレに話が向かってしまうことがあります。
もちろん、上司側の印象を伝えてはいけないわけではありません。
ただし、最初から印象だけをぶつけるのではなく、まずは観察できた行動を伝えることが大切です。
おすすめの順番は、次のとおりです。
- 具体的な場面を伝える
- 観察できた行動を伝える
- その行動による影響を伝える
- 必要に応じて、自分の受け止めを補足する
- 本人の考えを聞く
たとえば、次のように伝えます。
「今日の会議で、担当領域について意見を求められた場面がありましたが、発言はありませんでした。そのため、現場で起きている課題がチームに共有されにくくなっていました。私としては、あなたが持っている情報は判断材料として重要だと感じています。あの場面では、何か話しにくい理由がありましたか?」
このようにすると、指摘で終わらず、対話につながります。
改善点だけで終わらせない
改善フィードバックでよくある失敗は、改善点だけを伝えて終わることです。
たとえば、次のような言い方です。
「報告が遅いので気をつけてください」
「資料の確認が甘いので直してください」
「もっと主体的に動いてください」
これらは、改善してほしい方向性は伝わります。
しかし、部下にとっては「次に何をすればよいのか」がまだ曖昧です。
改善点を伝えるときは、必ず次の行動までセットにしましょう。
たとえば、報告が遅い場合は、
「遅れる可能性が出た時点で、一度チャットで共有してください」
資料の確認が甘い場合は、
「提出前に、数字・日付・添付ファイルの3点だけを確認する時間を取ってください」
主体性を高めてほしい場合は、
「課題を共有するときに、自分なりの対応案を1つ添えてください」
というように、具体的な行動に落とし込みます。
改善フィードバックの目的は、相手を反省させることではありません。
次に同じ状況になったとき、より良い行動を選べるようにすることです。
そのためには、次のような問いかけも効果的です。
- 「次回は、どのタイミングで共有できそうですか?」
- 「同じ状況になったら、最初に何を確認するとよさそうですか?」
- 「次の1週間で試せそうな行動は何がありますか?」
- 「こちらからサポートできることはありますか?」
上司が一方的に改善策を決めるより、本人が考えた行動のほうが実行されやすい場合もあります。
SBIモデルで状況・行動・影響を伝えたら、最後は「次に何をすればよいか」まで具体的に伝えましょう。

1on1では対話の余白を残す
SBIモデルは、フィードバックを整理するための型です。
しかし、1on1は上司が一方的に話す場ではありません。
そのため、SBIモデルで伝えたあとには、部下が話せる時間を残すことが大切です。
たとえば、改善フィードバックを伝えたあとに、すぐ次の話題へ移ってしまうと、部下は自分の考えを話す機会を失います。
表面上は「わかりました」と言っていても、内心では納得できていないこともあります。
1on1では、フィードバックのあとに次のような問いを入れると、対話になりやすくなります。
- 「ここまで聞いて、どう感じましたか?」
- 「今の内容で、認識が違うところはありますか?」
- 「本人としては、どこが一番難しかったですか?」
- 「次回に向けて、どんな進め方ならやりやすそうですか?」
- 「こちらの伝え方でわかりにくいところはありましたか?」
このような問いを入れることで、フィードバックは「上司からの指摘」ではなく、「一緒に改善を考える時間」になります。
特に改善フィードバックでは、部下側にも事情がある場合があります。
たとえば、報告が遅れた背景には、次のような理由があるかもしれません。
- どの段階で報告すべきかわからなかった
- まだ確定していない情報を共有してよいか迷った
- 相談するタイミングを逃していた
- 先に自分で解決しようとしていた
- 他の緊急タスクに追われていた
もちろん、理由があるから改善しなくてよいわけではありません。
ただし、背景を聞かずに指摘だけをすると、根本原因にたどり着けないことがあります。
SBIモデルで具体的に伝える。
そのうえで、本人の見方や事情も聞く。
この両方があると、1on1の質は高まりやすくなります。
SBIモデルを使う前に準備しておきたいこと
1on1でSBIモデルを自然に使うには、事前準備も重要です。
その場で思いつきで伝えようとすると、どうしても表現が曖昧になりやすいからです。
1on1前には、次の3点だけでもメモしておくと伝えやすくなります。
- どの場面について話すか
- どの行動を取り上げるか
- その行動によって、どんな影響があったか
たとえば、次のような簡単なメモで十分です。
- 場面:月曜の定例会議
- 行動:論点を3つに整理して共有した
- 影響:議論が進めやすくなった
このメモがあれば、1on1では次のように伝えられます。
「月曜の定例会議で、あなたが論点を3つに整理して共有してくれましたね。そのおかげで、参加者が話すべき内容を理解しやすくなり、議論が進めやすくなりました。」
改善フィードバックの場合も同じです。
- 場面:A社向け資料の提出
- 行動:納期当日の夕方まで進捗共有がなかった
- 影響:確認と修正の時間が短くなった
- 次の行動:遅れる可能性が出た時点で共有する
このメモがあれば、次のように伝えられます。
「A社向け資料の提出で、納期当日の夕方まで進捗共有がありませんでした。その結果、確認と修正の時間が短くなりました。次回は、遅れる可能性が出た時点で一度共有してもらえると助かります。」
1on1の前に少し整理しておくだけで、フィードバックの質は大きく変わります。
SBIモデルは「正しく伝える」より「相手が使える形で伝える」ことが大切
SBIモデルを使う目的は、きれいにフィードバックを組み立てることではありません。
本当に大切なのは、部下が自分の行動を理解し、次に何をすればよいかを判断できることです。
そのため、完璧にSBIの順番どおりに話すことにこだわりすぎる必要はありません。
大切なのは、次の3つが伝わることです。
- どの場面の話なのか
- どの行動が良かった、または改善が必要なのか
- その行動が周囲にどんな影響を与えたのか
改善フィードバックの場合は、さらに次の行動まで伝えると効果的です。
例文を使うときも、部下の状況や関係性に合わせて言葉を調整しましょう。
相手が受け止めやすく、次の行動に移しやすい形にすることが、1on1でのフィードバックでは最も重要です。
SBIモデルを1on1で自然に使うための実践ステップ
SBIモデルは、型を知っているだけでは十分に使いこなせません。
実際の1on1で自然に使うには、面談前に少しだけ準備しておくことが大切です。
特に新任管理職の場合、その場でフィードバックを組み立てようとすると、どうしても言葉が曖昧になりやすくなります。
「何を伝えるべきか」
「どこまで言うべきか」
「どう言えばきつく聞こえないか」
このように迷っているうちに、結局あたりさわりのない言葉で終わってしまうこともあります。
そこでおすすめなのが、1on1前にSBIモデルの3要素を簡単にメモしておくことです。
完璧な文章を用意する必要はありません。
「状況・行動・影響」を短く整理しておくだけで、フィードバックはかなり伝えやすくなります。
STEP1|事前に伝えたい行動を1つに絞る
まず大切なのは、1回の1on1で伝えるフィードバックを詰め込みすぎないことです。
管理職として部下を見ていると、伝えたいことがいくつも出てくるかもしれません。
- 報告のタイミングを改善してほしい
- 資料の精度を上げてほしい
- 会議でもっと発言してほしい
- 自分から提案してほしい
- 後輩への関わり方を工夫してほしい
しかし、1回の1on1で多くを伝えすぎると、部下は何を優先して改善すればよいのかわからなくなります。
改善フィードバックの場合は、特に注意が必要です。
複数の指摘を一度に受けると、部下は「たくさんダメ出しされた」という印象を持ちやすくなります。
そのため、まずは今回の1on1で一番伝えたい行動を1つに絞りましょう。
たとえば、次のように考えます。
「今回は資料の細かいミスではなく、進捗共有のタイミングについて話す」
「今回は会議での発言量ではなく、質問への答え方について話す」
「今回は成果そのものではなく、事前準備の良かった点を伝える」
このようにテーマを絞ると、フィードバックがぶれにくくなります。
部下にとっても、「今回はこの行動を見直せばよいのだ」と理解しやすくなります。
STEP2|状況・行動・影響をメモしておく
伝える内容を1つに絞ったら、次にSBIモデルの3要素をメモします。
メモする内容は、次の3つです。
- 状況:どの場面の話か
- 行動:どの行動を取り上げるか
- 影響:その行動によって何が起きたか
たとえば、褒めるフィードバックなら、次のように整理できます。
- 状況:昨日のチームミーティング
- 行動:論点を3つに整理して共有した
- 影響:議論が進みやすくなった
これを1on1で伝えるなら、以下のようになります。
「昨日のチームミーティングで、あなたが論点を3つに整理して共有してくれましたね。そのおかげで、参加者が何を話せばよいか理解しやすくなり、議論がスムーズに進みました。」
改善フィードバックの場合は、次のように整理できます。
- 状況:A社向け資料の提出
- 行動:納期当日の夕方まで進捗共有がなかった
- 影響:確認と修正の時間が短くなった
- 次の行動:遅れる可能性が出た時点で共有する
これを言葉にすると、次のようになります。
「A社向け資料の提出で、納期当日の夕方まで進捗共有がありませんでした。その結果、確認と修正の時間が短くなりました。次回は、遅れる可能性が出た時点で一度共有してもらえると助かります。」
この程度の準備で十分です。
大切なのは、きれいな文章を作ることではありません。
1on1の前に、「何について話すのか」を自分の中で明確にしておくことです。
STEP3|最初にフィードバックの目的を伝える
改善フィードバックを伝えるときは、いきなり指摘から入ると、部下が身構えてしまうことがあります。
そのため、最初にフィードバックの目的を一言添えると、受け取ってもらいやすくなります。
たとえば、次のような言い方です。
- 「次回からもっと進めやすくするために、1点だけ共有します」
- 「責めたいわけではなく、次に同じ状況になったときのために話します」
- 「今後さらに良くできそうな点として、ひとつ伝えたいことがあります」
- 「今回の件を、次の仕事に活かせる形で振り返りたいです」
この一言があるだけで、部下は「怒られる時間」ではなく、「次に活かすための話」と受け止めやすくなります。
特に、改善点を伝えるときは、上司の意図が伝わらないまま始めると誤解が生まれやすくなります。
フィードバックの目的は、相手を責めることではありません。
行動を振り返り、次により良い選択ができるようにすることです。
その目的を最初に示すことで、1on1の空気を整えやすくなります。
STEP4|SBIの順番で短く伝える
目的を伝えたら、SBIの順番で簡潔にフィードバックします。
ここで注意したいのは、説明を長くしすぎないことです。
改善フィードバックでは、上司が丁寧に説明しようとするほど、話が長くなることがあります。
しかし、話が長くなると、部下は要点をつかみにくくなります。
まずは、次の順番で短く伝えましょう。
- どの場面の話か
- どの行動があったか
- どんな影響があったか
- 次回どうしてほしいか
たとえば、次のような形です。
「昨日の定例会議で、報告の結論に入るまでに背景説明が長くなっていました。そのため、聞き手が重要なポイントをつかむまでに少し時間がかかっていました。次回は、最初に結論を一文で伝えてから、背景を補足してみましょう。」
このように、短くても必要な要素は入れられます。
反対に、以下のような伝え方は避けたほうがよいです。
「前から少し気になっていたんだけど、報告の仕方が全体的にわかりにくいというか、もう少し聞く側のことを考えたほうがいいと思っていて、他の人もたぶん少し理解しづらいと感じているかもしれないから、次からもう少し簡潔に話せるといいよね。」
この言い方は、やわらかくしようとしている一方で、要点がぼやけています。
部下からすると、何をどう変えればよいのかわかりにくくなります。
SBIモデルを使うときは、長く説明するよりも、具体的に短く伝えることを意識しましょう。
STEP5|本人の受け止め方を確認する
フィードバックを伝えたら、そこで終わらせず、本人の受け止め方を確認します。
1on1は、上司が一方的に話す場ではありません。
部下がどう受け止めたか、どのような背景があったのかを聞くことで、より実践的な改善につながります。
たとえば、次のような問いかけが使えます。
- 「ここまで聞いて、どう感じましたか?」
- 「認識が違うところはありますか?」
- 「あの場面では、どこが難しかったですか?」
- 「次回に向けて、どの進め方ならやりやすそうですか?」
- 「こちらからサポートできることはありますか?」
この確認を入れることで、部下は自分の考えを話しやすくなります。
また、上司側が見えていなかった事情に気づける場合もあります。
たとえば、進捗共有が遅れた背景には、本人なりの理由があるかもしれません。
- まだ確定していない情報を共有してよいか迷っていた
- 途中段階で相談する基準がわからなかった
- 自分で解決してから報告しようとしていた
- 他の緊急対応と重なっていた
理由を聞くことで、単に「早く報告して」で終わらず、次からどうすればよいかを一緒に考えやすくなります。

STEP6|最後に次の行動を一緒に決める
SBIモデルで状況・行動・影響を伝えたら、最後に「次に何をするか」を決めます。
ここが曖昧なままだと、部下は1on1後に行動を変えにくくなります。
たとえば、次のような終わり方では不十分です。
- 「次から気をつけてください」
- 「もう少し意識してみましょう」
- 「今後は改善してください」
- 「同じことがないようにしましょう」
これらはよく使われる表現ですが、具体的な行動が見えません。
より実践的にするなら、次のように伝えます。
- 「次回から、遅れる可能性が出た時点でチャットで一報を入れましょう」
- 「次の資料では、冒頭に結論・理由・依頼事項の3点を入れてみましょう」
- 「次回の会議では、担当領域について気づいたことを1つ発言してみましょう」
- 「相談前に、自分なりの案を1つメモしてから持ってきてみましょう」
- 「提出前に、数字・日付・添付ファイルの3点だけ確認しましょう」
行動は、できるだけ小さく、具体的にするのがポイントです。
大きな目標を掲げるよりも、次の1週間で実行できる行動に落とし込んだほうが、実際の変化につながりやすくなります。
また、上司が一方的に決めるのではなく、本人に問いかける形も有効です。
「次回から、どのタイミングで共有するのが現実的ですか?」
「まず試すとしたら、どの行動がやりやすそうですか?」
「次の1on1までに、何を1つ変えてみましょうか?」
このように聞くと、部下自身が行動を選びやすくなります。
STEP7|次回の1on1で振り返る
フィードバックは、伝えて終わりではありません。
次回の1on1で振り返ることで、行動の変化を確認できます。
たとえば、前回の1on1で「進捗共有を早める」と決めたなら、次回は次のように確認します。
「前回、遅れる可能性が出た時点で共有することを決めましたが、この1週間で試してみてどうでしたか?」
このように聞くことで、部下は自分の行動を振り返りやすくなります。
もし改善できていたなら、SBIモデルで褒めます。
「今週のB社対応で、遅れそうだとわかった時点で共有してくれましたね。そのおかげで、早めに役割分担を見直せました。」
もしまだ改善が難しかったなら、責めるのではなく、原因を一緒に整理します。
「共有が難しかった場面はどこでしたか?」
「どのタイミングなら、もう少し共有しやすくなりそうですか?」
「次は、どの方法なら試せそうですか?」
このように、次回の1on1で振り返ることで、フィードバックが継続的な成長支援になります。
1回伝えて終わりにするのではなく、次回の対話につなげる。
これが、SBIモデルを実際のマネジメントに活かすうえで重要です。
SBIモデルを1on1で使う流れのまとめ
最後に、1on1でSBIモデルを使う流れを整理します。
- 伝えたい行動を1つに絞る
- 状況・行動・影響をメモする
- フィードバックの目的を最初に伝える
- SBIの順番で短く伝える
- 本人の受け止め方を確認する
- 次に何をするかを一緒に決める
- 次回の1on1で振り返る
この流れを使えば、1on1でのフィードバックが感覚的になりにくくなります。
特に、新任管理職のうちは、面談中にすべてを自然に話そうとしなくても大丈夫です。
事前にメモを用意し、伝える内容を1つに絞るだけでも、1on1の質は大きく変わります。
SBIモデルは、部下をコントロールするための型ではありません。
部下が自分の行動を理解し、次に何をすればよいかを考えやすくするための型です。
まずは、次回の1on1で1つだけ使ってみてください。
褒める場面でも、改善点を伝える場面でも、「状況・行動・影響」を入れるだけで、フィードバックの伝わり方は変わります。
まとめ|SBIモデルを使えば、1on1のフィードバックは具体的に伝えられる
1on1でのフィードバックは、言葉選びに迷いやすいものです。
特に新任管理職の場合、「きつく聞こえないか」「伝わっているか」「部下が納得してくれるか」と不安になる場面も多いでしょう。
そのようなときに役立つのが、SBIモデルです。
SBIモデルを使えば、フィードバックを「状況」「行動」「影響」に分けて整理できます。
感覚的な評価ではなく、具体的な行動をもとに伝えられるため、褒める場面でも改善を促す場面でも使いやすくなります。
記事のポイント
- SBIモデルは、「状況」「行動」「影響」の3つでフィードバックを整理する方法です。
- 1on1では、部下の人格ではなく、具体的な行動に焦点を当てることが大切です。
- 褒めるときは、「すごい」「よかった」だけで終わらせず、どの行動がどんな良い影響を生んだのかを伝えると効果的です。
- 改善フィードバックでは、「責任感がない」「仕事が雑」といった評価ではなく、実際に見えた行動として伝えることが重要です。
- 改善点を伝えるときは、最後に「次に何をすればよいか」まで具体的に伝えると、部下が行動に移しやすくなります。
- 例文をそのまま読むだけでなく、実際の場面・行動・影響に合わせて言い換えることで、より自然なフィードバックになります。
- 1on1では一方的に伝えるだけでなく、本人の受け止め方や背景も確認すると、対話として深まりやすくなります。
- SBIモデルを使う前に、伝えたい行動を1つに絞り、状況・行動・影響を簡単にメモしておくと、言葉に迷いにくくなります。
1on1のフィードバックは、特別な話し方が必要なわけではありません。
大切なのは、「何となく伝える」のではなく、「どの場面で、どの行動があり、どんな影響があったのか」を具体的に伝えることです。
まずは次回の1on1で、この記事の例文を1つだけ自分の職場に合わせて言い換えてみてください。
それだけでも、部下にとって受け取りやすく、次の行動につながりやすいフィードバックになります。


