当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

RACIチャートの作り方!責任分担があいまいなプロジェクトを整える

ビジネススキル

プロジェクトを進めていると、「これは誰が決めるのか」「誰に相談すればよいのか」「共有だけでよいのか」が曖昧になることがあります。最初は小さなズレでも、タスクが増えるほど確認待ちや手戻りにつながりやすくなります。

責任分担があいまいな状態では、まじめな人ほど抱え込みやすくなります。一方で、関係者が多い仕事では全員に確認を取ろうとして、決定が遅くなることもあります。必要なのは、気合いで連絡を増やすことではなく、誰がどの役割を持つのかを見える形にすることです。

RACIチャートは、プロジェクトや業務の責任分担を整理するためのフレームワークです。この記事では、RACIの意味、作り方、実務で使うときの注意点を、初心者にも使いやすい形で解説します。

チームの人数が増えるほど、役割分担は口頭だけではズレやすくなります。RACIチャートは、そのズレを早い段階で見つけるための共通の地図のようなものとして使えます。

この記事を読むと次のことがわかります

  • RACIチャートの基本的な意味
  • 実行責任、説明責任、相談先、共有先の違い
  • 責任分担を見える化する作り方
  • RACIチャートを運用するときの注意点

RACIチャートは役割の違いを一枚で見える化する表

RACIチャートは、タスクごとに誰がどの役割を持つのかを整理する表です。RACIは、Responsible、Accountable、Consulted、Informedの頭文字です。日本語では、実行責任、説明責任、相談先、共有先と考えるとわかりやすいです。

ポイントは、単に担当者を決めるだけではないことです。誰が作業するのか、誰が最終的に責任を持つのか、誰に相談すべきなのか、誰へ共有すべきなのかを分けて書きます。

担当者一覧だけでは、作業する人と決める人が混ざりやすくなります。RACIでは、その違いをあえて分けるため、確認待ちや承認待ちの原因を見つけやすくなります。

Responsibleは実際に作業する人

Responsibleは、そのタスクを実際に進める人です。資料を作る、設定を行う、顧客へ連絡する、レビューを反映するなど、手を動かして成果物を作る役割です。

一つのタスクに複数人のResponsibleがいても構いません。ただし、多すぎると誰が動くのか曖昧になります。主に動く人を明確にしておくと、進捗確認がしやすくなります。

複数人で作業する場合でも、代表して進捗を更新する人を決めておくと混乱が減ります。全員が担当者だと、逆に誰も動き出さないことがあるためです。

Accountableは最終的に説明責任を持つ人

Accountableは、そのタスクの結果に対して最終的に説明責任を持つ人です。承認する人、判断する人、結果を引き受ける人と考えるとよいでしょう。

RACIでは、Accountableは一つのタスクに一人にするのが基本です。ここが複数人になると、判断が割れたり、最終決定者が見えにくくなったりします。

ConsultedとInformedは関わり方が違う

Consultedは、事前に相談すべき人です。専門知識を持つ人、影響を受ける部署、判断材料を持つ人などが該当します。双方向のやり取りが必要な相手です。

Informedは、結果や進捗を共有すればよい人です。相談して判断をもらう必要はないものの、知らないと困る相手です。この二つを分けるだけでも、確認の量を減らしやすくなります。

RACIチャートはタスクと関係者を先に洗い出して作る

RACIチャートを作るときは、いきなり表を埋め始めないほうがよいです。まず、対象にする業務やプロジェクトの範囲を決めます。範囲が広すぎると表が大きくなり、使われない資料になりやすいからです。

最初は、次の会議で扱う範囲、今月のプロジェクト、特定の業務フローなど、小さめに始めるとよいでしょう。実務で使える粒度にすることが大切です。

表を作る目的も最初に決めておきます。承認ルートを明確にしたいのか、相談先を減らしたいのか、手戻りを防ぎたいのか。目的が決まると、どのタスクまで表に入れるべきか判断しやすくなります。

対象範囲を一つに絞る

まず、何の責任分担を整理するのかを決めます。新サービスのリリース準備なのか、社内イベントの運営なのか、問い合わせ対応フローなのか。対象が曖昧なままだと、関係者もタスクも膨らみます。

範囲を決めるときは、開始点と終了点を言葉にすると扱いやすくなります。「企画承認後から公開当日まで」のように区切ると、必要なタスクを出しやすくなります。

最初から部署全体の業務を整理しようとすると、表が大きくなりすぎます。まずは混乱が起きている一つのプロジェクトに絞るほうが、関係者の合意も取りやすいです。

タスクは成果物や判断単位で書く

RACIチャートの行には、タスクを書きます。ただし、「準備する」「対応する」のような曖昧な書き方だと役割を割り当てにくくなります。できれば、成果物や判断単位で書くのがおすすめです。

たとえば「告知文を作成する」「FAQを承認する」「顧客への案内日を決める」のように書くと、誰が作り、誰が承認し、誰に相談するかを決めやすくなります。

関係者は部署名ではなく役割名で置く

表の列には関係者を書きます。ここで個人名だけを並べると、異動や担当変更のたびに表が古くなりやすいです。可能であれば、プロダクト責任者、営業担当、サポート担当、法務担当のように役割名で置くと使いやすくなります。

小さなチームでは個人名でも構いませんが、誰の役割として置いているのかを意識しておくと、引き継ぎもしやすくなります。

RACIチャートで責任分担を整理するイメージ
(c)並次元

役割を入れるときは判断者と相談先を混ぜない

RACIチャートでよくある失敗は、関係者全員に何らかの役割を入れてしまうことです。空欄があると不安になり、すべての人をConsultedやInformedにしてしまう。すると、結局誰に確認すればよいのかわからない表になります。

RACIは、関係者を増やすためではなく、関わり方を整理するためのものです。相談すべき相手と共有だけでよい相手を分けるだけでも、仕事の流れはかなり軽くなります。

空欄があることは悪いことではありません。そのタスクに関わらなくてよい人が明確になることも、RACIチャートの大きな価値です。全員参加の安心感より、必要な人が必要なタイミングで関わる状態を目指します。

Accountableは一人にする

最終判断者が複数いると、タスクが止まりやすくなります。複数人の意見を聞く必要があっても、最後に決める人は一人にするのが基本です。

もちろん、組織上どうしても複数承認が必要な場合もあります。その場合でも、RACI上では誰が最終取りまとめを行うのかを決めておくと、確認待ちが減ります。

Consultedは本当に相談が必要な人に絞る

Consultedが多すぎると、会議や確認の数が増えます。相談先に入れるのは、判断前に意見を聞かないとリスクがある人、専門知識が必要な人、影響が大きい人に絞るとよいでしょう。

なんとなく関係がありそう、念のため聞いておきたい、という理由で増やすと、RACIチャートの効果は弱くなります。

Informedは共有方法まで決める

Informedに入れた人には、どのタイミングで、どの方法で共有するのかも決めておくと実務で使いやすくなります。チャットでよいのか、会議で報告するのか、週次レポートで足りるのかで負担は変わります。

共有先が多い場合は、すべて個別連絡にしないことも大切です。共有の仕組みまで考えると、情報伝達の抜け漏れを減らしながら手間も抑えられます。

RACIチャートは作った後の更新で価値が決まる

RACIチャートは、一度作って終わりの資料ではありません。プロジェクトが進めば、タスクや関係者は変わります。最初に作った表を固定したままにすると、現実と合わなくなり、見られなくなってしまいます。

大切なのは、節目ごとに見直すことです。キックオフ時、要件変更時、担当変更時、トラブル発生時など、役割が揺れやすいタイミングで更新すると、実務に残りやすくなります。

更新の負担を下げるためには、表を細かくしすぎないことも重要です。すべての小作業まで入れるより、判断や責任が曖昧になりやすいタスクを中心に置くほうが、関係者も見続けやすくなります。

会議で表を見ながら合意する

RACIチャートは、担当者が一人で作って配るだけでは機能しにくいです。関係者が見て、違和感を出し、合意するプロセスが大切です。

特にAccountableとConsultedは、本人の認識とズレていると後で問題になります。会議で表を見ながら確認すると、早い段階でズレに気づけます。

合意の場では、表を完成させることより、認識の違いを見つけることを重視します。「ここは自分が決めると思っていなかった」という声が出たら、それだけで作る価値があります。

迷ったタスクから優先して作る

すべての業務にRACIを作ろうとすると負担が大きくなります。まずは、責任が曖昧になっているタスク、毎回確認が多いタスク、手戻りが多いタスクから作ると効果を感じやすいです。

問題が起きていない範囲まで細かく表にする必要はありません。RACIは、混乱している場所を整理するための道具として使うと続けやすくなります。

役割のズレを責めるために使わない

RACIチャートは、誰かを責めるための表ではありません。役割のズレを見つけ、次に同じ混乱を起こさないために使うものです。

表を使って責任追及を始めると、関係者は本音を出しにくくなります。うまくいかなかったときほど、役割の設計を見直すための材料として扱うことが大切です。

まとめ

RACIチャートは、タスクごとに実行責任、説明責任、相談先、共有先を整理するフレームワークです。誰が作業するのか、誰が最終的に判断するのか、誰に相談し、誰へ共有すればよいのかを一枚で見える化できます。

作るときは、対象範囲を絞り、タスクを成果物や判断単位で書き、関係者を役割名で置くと扱いやすくなります。特にAccountableは一人にし、Consultedを増やしすぎないことが大切です。

責任分担のあいまいさは、気づかないうちに手戻りや確認待ちを増やします。RACIチャートを使えば、誰が動き、誰が決め、誰に相談し、誰へ共有するかをチームでそろえやすくなります。

最初は小さな範囲で十分です。迷いやすいタスクを三つだけ選び、関係者と一緒にRACIを埋めてみるだけでも、現在の役割分担の曖昧さが見えてくるはずです。

作った表は、プロジェクトの共有フォルダや議事録からすぐ開ける場所に置いておきましょう。必要なときに見られないRACIチャートは、結局使われません。会議や進捗確認で自然に参照できる状態にしておくことが大切です。

また、RACIチャートは細かさを競う資料ではありません。チームが迷わず動けるなら、表はシンプルなほうが使われます。最初は最低限のタスクだけで始め、必要になったら行を足すくらいの運用が現実的です。

今回のポイント

  • RACIは責任分担を見える化するフレームワーク
  • Responsibleは作業する人、Accountableは最終責任を持つ人
  • ConsultedとInformedを分けると確認の量を減らしやすい
  • タスクは成果物や判断単位で書く
  • RACIチャートは節目ごとに更新して使う